この記事は、下記の質問にお答えしています。
- 鋳物って何?
- 鋳物の材質は、どんな材質があるの?
- 鋳鉄系の鋳物とは、どんな材質があるの?
- 鋳鋼系の鋳物とは、どんな材質があるの?
- 鋳鉄と鋳鋼の違いって何なの?
- 鋳物に溶接は、できないの?
- 鋳物だけど、溶接に強い材質って何?
- 耐摩耗鋳物って、どんな材質があるの?
- 特殊鋳物と普通鋳物の違いって何?
鋳物って、材質の名前なんですか〜?
奈良の大仏、鋳物の鍋、マンホールって、鋳物って言われてますが、
鋳物って言う材質があるんですか〜?
わかるわ〜組立君!
俺も新人組立君の時は、鋳物って、材質の一つと思っとったわ〜
先輩から、「その部品は、鋳物やで〜」って言われて!
そうっすか〜!みたいな感じやったわ!
で! 鋳物って、何やね〜って思ってたわ〜!
そうなんですか〜!!
監督も同じだったんですか〜
そうやで〜
では、そこんとことの理解の為に、バコ〜んと解説いくで〜
レベル1 鋳造加工
鋳物は、鋳造加工で、出来上がってきた製品を言うんやで〜
だから、鋳物=材質ではないんや! まず、ここをおさえとこうか〜
鉄の加工方法は、鍛造加工、切削加工、鋳造加工があるんやったな!あと、以前に解説した圧延加工や
圧延加工は、ローラーで熱々の銑鉄を伸ばしていく加工やったな、鉄板とか形鋼とかやで〜
https://www.kogi.co.jp/bumon/roll/
圧延加工に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
鋳造加工とは、型枠内にドロドロに溶かした鉄を、流し込んで、冷ましてから、型枠を外して
鉄を造形する加工方法や、そこで出来たものを鋳物って言うんや
https://www.asaichuzo.com/imono/cast1.htm
鋳造加工のメリットは、大量生産やな! 大量に同じ形の製品を一度に製造することができるんや!
木型や金型を作ると、それを使って、砂型を作る(砂で作った空洞の形)
同じ金型で大量の砂型を作り、大量の品物を量産できることがメリットの1つで、後もう一つは、
切削加工が少なくで、造形できる点やな
木型や金型で大まかな形を形成することで、細部の切削加工だけで、
製品ができてしまうっちゅうこっちゃ!
鋳造加工は、電気炉で少ない材料を溶かすことで、多種多様な製品を小ロットではあるが、
製造できるのが、メリットの1つや!
製鉄所の高炉で鉄を製造する場合は、大量の原料が必要で、多種多様とはいかないからな〜
同一の材質を大量生産が、高炉で、多種多様の材質の製造が電気炉なんやな〜
電気炉での製造と高炉製造との違いやな〜
レベル2 鋳物の種類
まずは、鉄の分類の解説が必要やな〜
鉄は、純鉄、鋼鉄、鋳鉄と分類されるんやったな〜、分類は、炭素含有量によって分けられるんや
なので、鋳鉄系鋳物と鋼鉄系鋳物が存在するんや まず、ここをおさえとこうか〜
鋳鉄系鋳物の特徴は、炭素含有量が多いので、硬度があるけど、脆いのが特徴や
炭素量が多いと、低い温度でもドロドロに溶けて、流動性があるんやったな! だから、
狭い型枠内でも流れていくから、細かい形状の造形にも適してるんや!
鋼鉄系の鋳物は、炭素量が少ないので、鋳鉄系の鋳物より、硬度はないが、粘りがあるんや!
流動性がないから、細かい形状を作るには、適していないんやな〜
まとめるとやな〜
鋳物とは、材質のことではなく、鋳造加工からできた製品のことで、
鋳物には、鋳鉄系の鋳物=鋳鉄と、鋳鋼系の鋳物=鋳鋼があるんや!
監督〜
鋳物の種類は、鋳鉄と鋳鋼に分かれるんですね〜
鉄の分類での呼び名と重なるので、理解が複雑になっていますが、
頭の中では理解できました〜
鋼鉄=鋼の鋳物は、鋳鋼ですね。
鋼材編の鉄の分類の理解が必要なんやな〜
復讐の為、下記の記事で詳しく解説しとるで〜
鋳物の材質もたくさんあるんですか〜?
機械屋にとって必要な知識を解説してもらいたいです。
よっしゃ!
では、解説いくで〜
レベル3 FC材(普通鋳鉄)=ねずみ鋳鉄
まずは、鋳鉄系の鋳物の代表格である材質は、FC材やな〜
FC材は、断面がねずみ色をしていることから、ねずみ鋳鉄とも言われているんや
材質の種類は、6種類あるんや、下記に表すで〜
種類 | 引張強さ(N/㎜2) | 硬さ(HB) |
FC100 | 100以上 | 201以下 |
FC150 | 150以上 | 212以下 |
FC200 | 200以上 | 223以下 |
FC250 | 250以上 | 241以下 |
FC300 | 300以上 | 262以下 |
FC350 | 350以上 | 277以下 |
成分の規定は無いが、鋳鉄のレンジなので、炭素含有量は、2.14%以上は入っているんや
JIS規格では、引張強度を規定しているんや! FCの後の数字は、引張強度の数字になってるんやで〜
特徴としては、炭素量が多いので、硬度は高いが、靭性がなくて、脆いのが欠点や!
もちろん、炭素量が多いので、溶接性も悪いんや!
用途としては、機械屋がよく使うプランマーブロックやプーリーに使われてるんや
鋳造加工の特徴は、木型や金型があれば、同じ製品が大量生産できることなんや!
もう一つが、切削加工が最小限に抑えられることやったな〜
つまり、大まかな形には、木型で造形して、ある程度の形から、切削加工で、詳細な形に
造形できるので、切削加工の時間が削減できるんや!
デメリットは、靭性=粘りがないので、脆いっちゅうことやな〜
プランマーやプーリーは、衝撃に弱い(脆い)ので、大ハンマーなので、ぶっ叩くと
割れてしますことがあるんや!
材質が、SS400の鋼材であれば、大ハンマーで衝撃を与えても、いきなり割れることは、
ないはずやで〜! 凹んだりするやろ〜でど、いきなり割れることはないんや!
脆いっちゅうのは、凹まないで(変形しないで)、パリっと割れることや
その脆い点を改善したのが、次のFCD材やで〜
レベル4 FCD材(ダクタイル鋳鉄)
普通鋳物であるFC材から進化したのが、FCD材(ダクタイル鋳鉄)なんや!
JIS規格には、10種類あるが、一部をまとめて、下記に示すで〜
種類 | 引張強度(N/㎜2) | 伸び(%) | 硬度(HB) |
FCD400ー18 | 400以上 | 18以上 | 130〜180 |
FCD400ー15 | 400以上 | 15以上 | 130〜180 |
FCD450ー10 | 450以上 | 10以上 | 140〜210 |
FCD500ー7 | 500以上 | 7以上 | 150〜230 |
炭素の含有量は、2.14%以上の鋳鉄系の鋳物で、普通鋳物のFC材から、
どこを改善したかと言うとやな〜 やはり、鋳鉄系の鋳物のデメリットの脆いところやな、
なので、延性がある材料にして、伸びて、割れないようにしてるんや
用途としては、エンジンの部品や、一番使われているのは、水道管やな!
水道管として、地中に埋められているのが、ダクタイル鋳鉄管なんや
簡単に言うと、鋳物の配管やな!
上の写真の鋳鉄管が、日本中に張り巡らされているんやけど、日本は地震が多いので、
FC材(ねずみ鋳鉄)で、水道管を作って、地中に埋めていると、地震で曲がってしまった時に
延性がないので、割れて水漏れしてしまうんや! だから、水道管には、曲がっても、
割れない材質が使われているんや!それが、FCD材(ダクタイル鋳鉄)なんや!
俺が聞いた話では、90度に曲がっても、割れないらしいんや!
伸びがある材質なんやな〜
機械の部品では、あまり使われてないので、あまり、馴染みはないんや
まとめると、FC材(ねずみ鋳鉄)は、炭素量が多く、硬度があり、細かい造形に適しているが、
延性や靭性がないので、割れやすい、その点を改善したのが、FCD材(ダクタイル鋳鉄)やな!
しかし、やはり機械部品としては、靭性が欲しいんや、延性も必要やけど、
直ぐに、曲がってしまっては、機械部品として使えないんや!
そこで、欲しいのは、靭性なんやな〜
あと、機械内部の重要な部品で使用する場合、衝撃で直ぐにボキっとは、使えんやろ〜
もう一つ、機械部品として、採用されるなら、溶接加工が必要となる時があるんやな〜
どうしても、溶接加工で、造形が必要な場合は、FC材もFCD材も鋳鉄なので、
溶接加工には、やはり、適さないんや!炭素量が多いと、熱影響を受けて、割れてしまうんや!
なので、鋳物として、同じ部品を大量生産したいけど、靭性が欲しい、溶接もしたい場合は、
SC材が使われるんや!
炭素含有量と溶接性と機械的性質に関しては、下記の記事を参考にして下さい。
レベル5 SC材(炭素鋼鋳鋼品)
SC材を簡単に言うとやな〜
SS400の鋳物やな! SS400は、普通の鋼材で、最も一般的に使われてる鋼材やな!
普通の鉄板やH鋼などの形鋼の材質やな! H鋼は、圧延鋼材で、圧延加工で製造されてるんやったな!
SS400は、炭素の含有量の規定は無いが、低炭素鋼の為、溶接性はできるんやったな!
溶接性がいい事と、溶接ができることは、少しにニュアンスが違うけどな〜
でも、SS400は、溶接ができるので、CS材は、SS400の鋳物と俺は説明してるんや!
なので、SC材は、炭素鋼鋳鉄品とい言われてるんや! 炭素鋼=SS400やな!
溶接性について、コメント入れとくけど、鋳物は溶接が全くできないわけではないんや!
ここ、超重要やけど、鋳物に溶接する場合は、溶接材料の知識が必要になってくるので、
溶接編の解説で、詳しく理解していこうか〜
話を元に戻すで〜 SC材の種類をまとめると、これやな〜
種類 | C(炭素) | P(リン) | S(硫黄) | 引張強度 (N /mm2) | 伸び(%) |
SC360 | 0.2以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 360 | 23 |
SC410 | 0.3以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 410 | 21 |
SC450 | 0.35以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 450 | 19 |
SC480 | 0.4以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 480 | 18 |
SCの後の数字は、引張強度を示しているんやで〜
表でまとめた特徴は、炭素含有量によって、引張強度は上がるけど、伸びがなくなる関係が
成り立ってるやろ〜
そして、溶接性がいいのは、炭素含有量が0.2%程度やったな〜
SC材(炭素鋼鋳鋼品)は、溶接性が良いとは言っても、炭素量が多くなると
熱影響の関係で、割れの可能性があるので、鋳鋼品でも、溶接性を上げている材質があるんや!
SC材(炭素鋼鋳鋼品)を進化させたのが、SCW材(溶接構造用鋳鋼品)なんや〜
レベル6 SCW材(溶接構造用鋳鋼品)
SCW材の種類と特徴をまとめるとこんな感じやで〜
種類 | C | Si | Mn | P | S | 引張強度 (N /mm2) | 伸び % |
SCW410 | 0.22以下 | 0.8以下 | 1.5以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 410 | 21 |
SCW450 | 0.22以下 | 0.8以下 | 1.5以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 450 | 20 |
SCW480 | 0.22以下 | 0.8以下 | 1.5以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 480 | 20 |
SCW550 | 0.22以下 | 0.8以下 | 1.5以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 550 | 18 |
SCW620 | 0.22以下 | 0.8以下 | 1.5以下 | 0.040以下 | 0.040以下 | 620 | 17 |
種類 | Ni(ニッケル) | Cr(クロム) | Mo(モリブデン) | V(バナジウム) |
SCW550 | 2.50以下 | 0.50以下 | 0.30以下 | 0.20以下 |
SCW620 | 2.50以下 | 0.50以下 | 0.30以下 | 0.20以下 |
この表を解説するとやな〜
まず、C(炭素)は、強度が上がっても同じ含有量になっとるやろ〜
これが、溶接性を意識しているっちゅうこっちゃ!
それと、SCW550とSCW620は、5大元素以外に、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)
V(バナジウム)を添加して、強度を上げてるんや!
5大元素以外を添加している材質を、合金鋼と言うんやったな!
合金鋼に関しては、下記の記事を参考にして下さい。
監督〜!
鋳物に関して、完全に理解しました〜
まず、鋳物とは、材質ではなく、鋳造加工で製造された製品の名前だったんですね。
それと、鋳物には、大きく分けて、
鋳鉄系の材料で鋳造された 鋳鉄と
鋳鋼系の材料で鋳造された 鋳鋼があるんですね。
鋳鉄系の材料は、炭素含有量が多いので、熱を入れると低い温度でも流動性が良く
鋳造加工には、適しているんですね。砂型の隅々まで、流れ込むことができるので、
細かい形を造形できるのがメリットなんですが、しかし、デメリットがあり、
靭性がないのと、溶接性が悪い点でしたね。
そう言うこっちゃ!
もう 完〜全に、理解しとるやんけ〜
材質を全部覚える必要もないし、細かい成分も覚える必要はないと俺は思うで〜
しかし、炭素含有量と硬度の関係や溶接性の関係は、覚えておく必要があり、
また、5大元素以外の添加物を入れることで、どんな機械的性質が上がるのかも
ざっくり理解は、必要と俺は思っとるんや!
溶接性に関しても監督の言っている意味が分かってきました。
FC材(普通鋳鉄)は、鋳造加工に優れているが炭素量が多く靭性がないので、
進化させたのが、FCD材(ダクタイル鋳鉄)でしたね。
ダクタイル鋳鉄は、ねずみ鋳鉄にない、延性を高めることで、
曲がるけど割れない材質になっているんですね。
FC材とFCD材も鋳鉄系の鋳物=鋳鉄なので、溶接性がないのが欠点でしたね。
鋳造加工で造形したいけど、その後の工程で、溶接加工する場合がある時は、
鋳鋼系の材料で、鋳造する鋳鋼があるんでしたね。
鋳鋼系の材質で、代表的なのがSC材でした。
簡単に言うと、SS400を鋳造加工したのが、SC材(炭素鋼鋳鋼品)でした。
SC材は、引張強度を上げるのに炭素含有量を上げており、材質によっては、
炭素含有量が、0.3%以上になっているので、溶接性が落ちてしまうので、
そこで、SCW材(溶接構造用鋳鋼品)があるんでしたね。
SCW材は、炭素含有量を0.22%に抑えることで、溶接性を高めているんでしたね。
しかし、引張強度が欲しい、強度が高いSCW材は、5大元素以外のニッケル、クロム等を
添加することで、合金鋼の様に、強度を上げてるんですね。
それでも、炭素含有量の規定値がしっかり規定されているので、溶接性は落ちないんですね。
完〜全に、理解しとるやないか〜!
完璧やで〜組立君!
現段階では、溶接の知識がないので、溶接性に関しては、イメージしずらいと思うけど
現段階では、完璧な理解と思うで〜
最後に、特殊鋳物の解説行くで〜
レベル7 特殊鋳物
特殊鋳物に関しては、超専門性が高いので、超ざっくり解説で行くで〜
まず、特殊と言われるのは、耐摩耗性、耐熱性に特化した鋳物っちゅう意味なんや!
1000度以上の条件下で使用しないといけない場合は、普通鋳物では、割れたり変形したりと
使用条件に耐えることができないんやけど、そこを克服してんのが、耐熱鋳物やな〜
材質に関しては、各鋳物メーカーがオリジナルの材質を設計してるんや!
細かい成分の説明は、割愛するで〜
耐熱鋳物は、鋳鉄系、鋳鋼系、どちらもあるんやけど、使用条件に合わせて、材質選定をしてるんや!
耐摩耗鋳物に関しても、摩耗性に耐えるために、使用条件に合わせて、設計されてるんや!
耐摩耗に関しては、擦り減り摩耗と衝撃摩耗があるのが難しい点なんや!
例えば、こんな石を扱っている大型重機は、耐摩耗との戦いなんやで〜
バックホーの爪は、石をすくったり、叩いたりと、常に石とぶつかり合っているので、摩耗するんや!
摩耗とは、表面が擦り減って無くなっていく現象のことで、車のタイヤみたいに、
走っていると、だんだん擦り減って、なくなっていくイメージや!
岩山なんかを車で走っていると、トゲトゲしているので、タイヤが傷ついて、小片として、
無くなっていくのも摩耗やな〜、傷つきにくいのが、硬度がある材質だったな〜
摩耗には、2種類あって、擦り減り摩耗と衝撃摩耗があり、
ここで言う擦り減り摩耗とは、石をすくったりする時に受ける条件や
また、バックホーの爪で石を叩き割る条件では、衝撃摩耗となるんや!
要は、擦り減り摩耗に強いんは、硬度がある、高クロム鋳鉄であり、傷がつきにくい材質やな!
衝撃摩耗に強いんは、高マンガン鋳鋼になるんや!
高マンガン鋳鋼は、硬度は高いが、鋳鉄までは無く、替わりに粘りがあるんや!
また、叩いてると加工硬化するので、叩けば、叩くほど、硬度が上がっていくんや!
最初から最大の硬度がないのが特徴やな! 最初から硬度があると、割れやすいからな〜
加工硬化を簡単に説明するとやな〜
針金を切る時に、ニッパーがなかったら、針金を同じところを、何回も曲げていくと
そこが、固くなることで、切断できるっちゅうやつや! 曲げ曲げ、ポキっとや!
何度も同じところを曲げる=加工する→硬化する=脆くなって=折れる みたいな感じや!
話を戻すで〜 石の採掘現場では
SS400のような炭素鋼では、硬度が低いので、摩耗してしまって使い物にならんのや!
また、強度も低いので、すぐに変形してしまうんや!
高マンガン鋳鋼でも、叩き尽くして硬度が上がりまくると、やはり靭性も落ちてくるので、
硬度が上がり、脆くなるんや!つまり、割れてしまうんやな〜
ざっくりしとるが、摩耗に強いんは、硬度が高いクロム系の鋳鉄やし、
硬度を上げすぎると、靭性がなくなるので、衝撃に弱く、叩いていると爪が割れてしまうんや!
なので、衝撃が必須の条件では、高マンガン系の鋳鋼が使われてるんや!
また、硬度がめっちゃ高い鋳鉄品と、硬度は鋳鉄よりは無いが割れにくい鋳鋼品の間には、
低合金系の鋳物や、低合金系の鋼材(高張力鋼板)や、耐摩耗鋼材(HARDOX)があるんや!
摩耗に強いのは、マンガン系鋳鋼 → 低合金系 → クロム系鋳鉄 とは、一部は言えるけど
そこには、硬度と靭性と延性と、脆性の関係があるので、一概には言えないんや!
要は使用条件によって、細かく設計して、材質選定していくことが重要なんや!
機械屋にとって、重要なんは、鋳鉄系か鋳鋼系かを理解して、覚えておくことが重要なんや!
どうしてかと言うとやな、我々、機械屋は、補修する場面が出てくるんや、その際には、
溶接補修が必須になるやろ〜! そこが重要な点なんや!
母材の材質と溶接材料があってないと、補修しても不具合が出てしますので
知識として、重要なんや!
耐摩耗鋳物と鋼材をまとめるとやな〜
擦り減り摩耗に強いんは、高クロム系の鋳鉄であって、衝撃を受ける場合や、
割れが懸念される際は、高マンガン系の鋳鋼が選定されるんや、その間では、
低合金系の鋳物や鋼材があるんやったな! 重要なんは、各材質の特徴を理解しておき、
溶接性に関しての知識がなければ、機械屋としての対応能力が上がらないんや!
だから、知識として、溶接性や機械的性質の知識が必要となるんやで〜
監督〜
特殊鋳物に関して、
耐熱鋳物と耐摩耗鋳物の理解ができました。
熱に強い鋳物として、耐熱鋳物があり、鋳鉄系、鋳鋼系の鋳物が
あるんでしたね。
耐摩耗に関しては、
高い含有量を含むクロム系の鋳物と
高い含有量を含むマンガン系の鋳物があるんですね。
耐摩耗に関しては、擦り減り摩耗と衝撃摩耗があり、
擦り減りに強いのは、硬度がある、高クロム系の鋳鉄で、
硬度が高いので、靭性がないので、割れやすいのがデメリットですが、
高マンガン系の鋳鋼や、低合金系の鋳物や鋼材は、それ以外で
選定されているんですね〜
その通りやで〜
いい理解の仕方やな〜 やりよるな組立君!
超重要なんは、各材質を理解することで、
補修の際に、溶接補修がある場合は、溶接材料の選定に
この知識が必要となるんやったな〜
溶接材料に関しては、溶接の知識を入れた後に、詳細の解説をする予定なので、
乞うご期待と行こうか〜、次回も楽しみにしといてや〜